はじめに

昨今、コロナ禍によりハイブリッドワークが定着し、働く場所が分散化している企業が増えています。上長や同僚へ、対面での気軽な相談や雑談がしにくくなっている状況で、「どうやって業務に必要なアドバイスを受け、スキルを身に着けていけるのか」といった悩みを抱えている社員も多くいるのではないでしょうか。そこで、社員一人ひとりとのコミュニケーションを密にし、社員のスキリング/リスキリング、職業能力やエンゲージメントを向上させ、組織力強化につなげる「1on1ミーティング」マネジメントが注目されています。1on1ミーティングは、これまでの一般的な業務評価である面談とどう違うのか、また期待できる効果などをご紹介していきます。

1on1ミーティングが必要となる背景

現在、将来の予測が困難なVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)時代と言われています。これはIT技術の急激な進化や世界的なコロナ禍などの影響により、ビジネスや社会の変動性が高く、将来の予測がつきにくい状況を指す言葉です。VUCA時代では、状況の変化をいち早く察知し、それに適応できる人材の育成など、組織の柔軟な変化が求められます。また転職や副業を含めた雇用形態の多様化や、所有よりも体験を重視するZ世代の価値観に対応するため、これまでの企業からの一方通行なマネジメントに替わり、社員の自主性を重んじるマネジメントに変化してきています。

さらに、働き方の選択肢が増え、出社とリモートワークが混在するハイブリッドワークが定着した一方で、働く場所が分散したことによる対面での気軽な相談・雑談が難しくなっており、社内のコミュニケーションやコラボレーションが現在の課題となっています。

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、マンツーマンで直接対話をし、社員の成長に繋げていく定期的なミーティングです。会話の内容は、現在の業務状況や課題、仕事への悩み相談、場合により健康面やプライベートなことまで多岐にわたります。

従来の面談(四半期に1回~年1回程度)では、主に業務の達成度による評価や目標設定の確認が行われたりと、会社や上司からの一方通行なヒアリングになりがちで、部下の自発的な行動を期待したくても、本音を引き出し信頼関係を築くまでには至りません。対する1on1ミーティングは、短いサイクル(週1~月1程度)で定常的に行うことで、部下の機微の変化を読み取ることも可能になります。話し合うテーマを部下が決めることで、部下の自主的な取り組みを促す効果も期待できます。スキル向上や業務の質の確認など、部下が抱える課題に適切なアドバイスを行えることが特長です。

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングの期待できる効果

1on1ミーティングのような比較的フランクな対話型コミュニケーションは、通常では聞けない本音やキャリアに関する考え、志向を聞き出すことに適しています。そのため上司と部下の信頼関係が構築しやすく、部下の業務に対するモチベーションも上がることが期待されます。また配慮が必要ですが社外のプライベートまで踏み込んだ対話も可能で、話し合いから組織に対するエンゲージメントを醸成し離職抑止も期待できます。部下の働きやすいと感じる環境作りに寄与し、個人の業務能力や生産性向上を後押しすることは、組織全体のボトムアップにも効果があると言えます。

1on1ミーティングの課題

課題の一例として、上司のコミュニケーション能力により1on1ミーティングの質が大きく左右されるといったケースがあげられます。主役である部下の言葉を否定することなく、自主的な解決へ誘導する技術を身につける必要があり、さらにミーティング前の準備をはじめ、アドバイスの効果を双方が確認できる仕組みも必要です。また上司の過度なマイクロマネジメントに陥らないよう留意しなくてはなりません。

1on1ミーティングの効果を高めるツールの導入

最近では1on1ミーティングに特化したサービスが提供されています。ミーティングのスケジュール管理をはじめ、あらかじめ双方の心構えができるよう、トピックを事前に共有することも可能です。ミーティング中でも話した内容や気づいたことをリアルタイムでメモを取ったり、それに対するコメントも記載できる機能で次回に活かすことができます。また、上司の力量に頼らず質の高いミーティングができるようテンプレートなど、1on1ミーティングの効果を最大化する機能や仕組みが用意されています。

詳しくはこちら→ BXO Well-Being(ページ下部に1on1ツールのKakeaiご紹介)

まとめ

部下の期待への正しい理解と適切なアドバイスにより業務能力を伸ばし、企業の成長につながる1on1ミーティングは有効な施策ですが、思いどおりに実施できていない、効果への実感がない、定着しないといった悩みもよく耳にします。そのような場合には、1on1ミーティングの質を高める支援ツールの導入・活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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