【イベントレポート】IDC Japan主催、ニッキン社主催の各イベントに出展しました
はじめに
NTTデータは、10月9日にIDC Japanが主催する「IDC Future of Workstyle Forum 2024, Japan」および10月17日から18日に開催されたニッキン主催「FIT2024 金融国際情報技術展」に出展しました。今回のレポートでは、それぞれのイベントでの講演や展示ブースの様子をはじめ、来場者の方々から寄せられた質問や感想を中心にご紹介していきます。
「IDC Future of Workstyle Forum 2024, Japan」
「IDC Future of Workstyle Forum 2024, Japan」は、IDC Japanが主催する、働き方の変革に取り組むエンドユーザー企業を支援するイベントです。IDCでは、Future of Workstyle(働き方の未来)をDX実現のための礎と位置付け、DXを推進するための働き方はどうあるべかを本イベントを通じて訴求されています。今年は、テーマの軸を「Beyond Hybrid Work:未来型エクスペリエンスが生み出すデジタルビジネス」とし、テクノロジーやカルチャー、拡張強化(オーグメンテーション)の観点から、デジタルビジネスの拡大を目指す企業に向けて課題解決のヒントを提供することに重点が置かれました。それを受けて、今回、NTTデータでは、生成AIを活用した新しい働き方に焦点を絞り、自社における取り組みや提供サービスに関するご紹介をしました。
●講演ではNTTデータが実践している新しい働き方を紹介
ハイブリッドワークが定着し、クラウドサービスの活用が進むNTTデータでは、ゼロトラスト環境、RAGを用いた生成AIの活用、Microsoft 365 Copilotの導入などをおこなっています。講演では、こうした環境への移行や導入に至った背景や導入時に直面した課題、その解決方法、導入後に享受したメリットなど私達が実践したリアルな経験をNTTデータの情シス部門(ITマネジメント室)からご紹介させていただきました。特に、「社内GPT」や「社内ナレッジ検索システム」のプレゼンテーションでは、生成AIの社内活用や属人化したナレッジ共有に課題を持つ企業にとって、非常に参考になるとの高い評価、またインフラとして構築されたことへのNTTデータの取り組みと効果についての具体例が、役に立ったとの参加者からの声もいただくことができました。
本イベントには、経営層や管理職の方が多く参加されていたこともあり、聴講者を対象とした弊社独自アンケート結果から、現在抱えている課題の上位3つは、「生産性の向上」「社内の円滑なコミュニケーション」「従業員エンゲージメントの向上」でした。NTTデータの取り組みや実例の紹介が、こうした課題解決のヒントとなれば幸いです。
●生成AIを活用した「パーソナルアシスタントサービス」の展示
展示ブースではNTTデータ社内での利用している生成AIを活用したパーソナルアシスタントサービス、および、社内ナレッジ検索システムの回答生成機能の核となる、NTTデータ独自開発のクローラー「LITRON® Generative Assistant」の仕組みを詳しく紹介しました。ブースを訪れた来場者の多くがChatGPTなどの汎用チャットツールを使用した経験があり、社内ナレッジ検索の導入を検討している企業もいらっしゃいました。特に、すでに検証を行っているお客様からは「精度が最大の課題」という意見をいただいたり、社内データとの連携方法やナレッジ共有の最適化や、社内GPTの精度についての質問も多く寄せられました。
経営層の多くが生産性向上を重要課題としている現状から、生成AIの活用推進に向けた具体的な提案が今後ますます求められると感じたイベントとなりました。
「FIT2024 金融国際情報技術展」
FIT2024 金融国際情報技術展は、金融業界におけるデジタル変革の促進を目的とした国内最大級の金融ITフェアで、今年で23回目の開催を迎えました。このイベントでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)、セキュリティ対策、生成AIなど、金融業界が抱える課題解決に向けた最新のソリューションや実践的な事例が数多く展示され、最先端技術の紹介とその活用方法などが多く展示されました。今回、NTTデータでは、生成AI、顧客接点の形成、業務プロセスの改革につながる様々なデジタルソリューションをご紹介しました。
●社内ナレッジ検索システムのデモ展示
FITは金融業界に特化したイベントであるため、金融機関に有益なプラットフォームやさまざまなサービスが展示されました。特に、金融業界の生成AIガイドラインが整備されていない現状もあり、当社で実際に活用している「社内ナレッジ検索システム」のデモンストレーションについて、多くの来場者の方にご覧いただきました。業界共通の悩みとして、社内情報の検索における課題が多く聞かれ、生成AIの活用に関しては、属人化したナレッジ共有への対応が課題となっていることがうかがえました。
また、「お客様からの質問やクレーム対応で資料探しに時間がかかるため、社内ナレッジ検索を活用したい」という声も寄せられました。データ整理に対する不安を持つ企業の方は、「社内ナレッジ検索システム」の回答生成機能の核となる、NTT データ独自開発のクローラー「LITRON® Generative Assistant」に対する興味が高く、その精度や仕組みについて深掘りした質問もあり、精度確認のためにPoC(概念実証)を実施したいというご要望もありました。その一方で、生成AI活用に興味を持ちながらも、セキュリティ面の懸念や社内の上層部の許可が得られないことが課題という企業も多く見受けられました。
まとめ
生成AIの社内利用は業界や企業規模を問わず、使い方や社内データの活用方法が模索されている段階にあることを実感しました。導入が進んでいる企業では、入力した質問に対して適切な回答内容を返答できるかといった精度面での課題を挙げられている方を多くお見受けしました。
生成AIは幅広いユースケースに活用が期待されています。製造業のお客様からは属人化したナレッジの共有、金融業のお客様からは金融商材に関する文書管理や、質問・クレーム対応時に迅速に情報を検索できる仕組み、新人教育への活用といった具体的なユースケースが出されました。しかし、同時にセキュリティ面の不安や課題を懸念する声も多く聞かれました。
経営層においては、生産性の向上や社内コミュニケーションの円滑化、従業員エンゲージメントの向上に高い関心があり、生成AIによる課題解決への期待がさらに高まっていることが感じられました。各イベントを通じて、NTTデータが実践する「社内ナレッジ検索システム」を活用した新しい働き方に対して、多くの来場者から高い関心をいただくことができました。